九州場所のまとめ及び振り返り
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はじめに
(出典:旅ぐるたび ようこそグルメなまち福岡へ!!)
九州場所は、毎年11月に福岡国際センターで開催されていて、「1年おさめの九州場所」とも言われている場所です。
今場所で印象に残った出来事を5つ取り上げる形で纏めました。
関取の大量休場
まず、関取の休場力士が多く現れてしまったことがあげられます。
初日を迎えた段階で、幕内では横綱鶴竜、貴ノ岩、宇良の3人と十両の千代鳳が先場所負った怪我が完治できない等の要因で休場しました。
さらに場所中には元横綱日馬富士、関脇照ノ富士、横綱稀勢の里、大関高安の看板力士を担っている4人が休場してしまい、妙義龍、碧山を加えると計10人の関取が何らかの形で休場したことになりました。
取組結果を表示する電光掲示板の休場力士の欄が四股名で一杯になる光景が会場やテレビなどで見られ、寂しいと感じた相撲ファンも中に入るかもしれません。
ちなみに碧山は途中から出場しましたが、最終的には3勝8敗4休の成績で今場所を終えました。
この10人が休場してしまった要因としては、先述した怪我の状態と後述する相撲界を揺るがす問題の2つが考えられます。
特に前者について先場所も同じような状況で全休したり、途中休場したりする関取が多く現れていました。
この時は最大9人の関取が休場する異常事態でした。
今回は、このような事態が再び起こったことになります。
このような形で休場を再発してしまう原因としては関取が大型化していることと完治するまでの時間が取れないことの2つが主なものと考えられます。
前者に関して、現在幕内力士の平均体重は160kgを超えており、20年程前と比べても20kgも重くなっています。
体重が増えると立ち合いなどの際に力を与えやすくなるメリットがある反面、自分の体重で膝などを支え切れられなくなるなどした結果、怪我をしやすくなるというデメリットもあります。
後者に関しては、ここ数年の相撲人気の影響などで1年間に90日間行われている本場所に加えて、行われている巡業など興行の数が急に多くなっています。
この興行は基本的に参加せねばならず、休息の時間が結果的に少なくなることで、怪我をした場合、回復しきれないまま本場所に挑んだり稽古や本場所で疲労などが原因で怪我をしやすくなってしまったりする可能性が高まります。
土俵外のスキャンダル
場所が始まって数日後に10月に起こった暴行問題が発覚してしまい、場所中にも関わらず相撲中継でもこの問題にかなりの時間をかけるなど影響が出てしまいました。
報道で取り上げられている中心人物とされている貴ノ岩は全休し、日馬富士にいたっては、場所後に現役を引退してしまいました。
幕内及び十両での優勝力士の15日間
今場所の優勝力士は幕内では横綱白鵬、十両では蒼国来で共に14勝1敗の成績で幕内では14日目に、十両では13日目に優勝が決定しました。
まず白鵬の場合は序盤から安定して白星を掴んでいき10日目まで全勝するなど、先場所休場したとは思えないような復活ぶりを見せました。
この翌日に自身の判断ミスなどから尾車部屋所属の関脇嘉風に敗れ、13日目での伊勢ヶ濱部屋所属の宝富士戦では2度体勢を崩すなどピンチに追い込まれる場面もありましたが、翌日の追手風部屋所属の遠藤に完勝して40回目の幕内最高優勝を決めました。
蒼国来の場合は、7日目に伊勢ヶ濱部屋所属の照強に敗れてしまいますが、そこから立て直すことができ残りをすべて勝つことができました。
その結果、後を追っていた錣山部屋所属の阿炎ら3人と星の差を徐々に広げていき、13日目の地点で差が3つになったことから自身初の十両優勝が決まりました。
優勝争いに食い込んだ八角部屋の2関取
先述した通り、幕内では白鵬の優勝で終わりましたが、八角部屋の北勝富士と隠岐の海は11勝4敗の好成績を収めて優勝争いを盛り上げました。
隠岐の海は前頭12枚目の番付だったため、幕内上位との取り組みが編成されたのは優勝争いに名前を刻んだ終盤に入ってからですが、2日目から琴勇輝に敗れるまで7連勝をし、敗れた翌日以降も着実に白星を重ねていきました。
終盤の2日間は上位との取り組みに敗れて優勝を果たすことができませんでしたが、敢闘賞を獲得しました。
北勝富士は前頭3枚目で、三役以上の力士と総当たりを行う幕内上位の力士として15日間取りました。
おっつけを用いた攻めが白星に繋がる内容が多くあり、終盤までに敗れたのは白鵬と逸ノ城だけでした。
隠岐の海と同様に終盤の2日間連敗して場所を終えましたが、先述の攻め方が評価されて、技能賞を獲得できました。
勝ち越すことの難しさを証明した最年長関取
この九州場所において幕内の土俵を盛り上げたのは若手だけでなく、安美錦も古参力士として大いに加わりました。
安美錦は昭和53年10月に青森県深浦町で生まれ、現在39歳で関取の中では最年長の力士です。
平成27年秋場所後から最年長関取を務めています。
安美錦は高校卒業後に角界に入門し、21歳だった平成12年名古屋場所で新入幕を果たしました。
入幕後は昨年の夏場所中にアキレス腱を断裂する大怪我を負って途中休場するまでの16年半にわたって幕内の土俵に立ち続け、特に今から10年前には関脇で2場所通算18勝を挙げて大関昇進へリーチをかけたり幕内上位に定着した3年間で殊勲賞などの三賞を5回と、金星を4回それぞれ獲得したりする大活躍を見せたこともありました。
先述した大怪我の影響は響き、復帰できたのは2場所後のことで番付も十両下位からのスタートでした。
それでも少しずつ実力を発揮できるようになり、怪我から1年後に10勝の好成績を2場所連続であげて遂にこの九州場所で1年半ぶりに幕内の土俵に帰ってきました。
安美錦は序盤5日間、若々しく前に攻める相撲などを見せて全勝の好スタートを切りました。
勿論、相手をヒョロリとかわして白星を掴む安美錦らしい心理戦的な内容も見られました。
こうして10日目に碧山関に勝って勝ち越しに王手をかけました。
ただ、後半に差し掛かると体力的な疲れなどが見え始め、11日目に正代に敗れてから4連敗を喫し、勝ち越しが厳しくなりました。
そして迎えた千秋楽では対戦相手の千代翔馬に対して序盤に近い内容を見せつける形で下し、勝ち越すことができました。
この直後に受けたインタビューで号泣して喜ぶ様子が映し出され、感動を与えるものとなりました。
この時に勝ち越すことの厳しさを話していました。
まとめ
(出典: フォートラベル 「=2014年大相撲九州場所 観戦=」)
このように、今場所は場所中にスキャンダルが発覚したり、先場所と同じく関取の休場力士が相次いで現れたりする異常事態の中で開催されました。
関取の土俵では千秋楽を待たずして優勝が決まりましたが、場所を最後まで盛り上げた力士がいたり年長力士の頑張りが話題になったりするなどした場所でもありました。
来場所も土俵を盛り上げてくれる力士が1人でも現れると、相撲が面白くなるかもしれません。
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